がん哲学外来とは?

多くの人は、自分自身又は家族など身近な人ががんにかかった時に初めて死というものを意識し、それと同時に、自分がこれまでいかに生きてきたか、これからどう生きるべきか、死ぬまでに何をなすべきかを真剣に考えます。
一方、医療現場は患者の病状や治療の説明をすることに手一杯で、がん患者やその家族の精神的苦痛までを軽減させることができないのが現状です。 そういった医療現場と患者の間にある「隙間」を埋めるべく、「がん哲学外来」が生まれました。科学としてのがん学を学びながら、がんに哲学的な考え方を取り入れていくという立場です。

しかし、その「隙間」を埋めるのは、病院や医療機関に限らず、集まりやすい場所で、立場を越えて集う交流の場を作ることで始まりました。そしてその活動を全国へ展開をしていくことを目指し、2009年に樋野先生を理事長に「特定非営利活動法人(NPO法人)がん哲学外来」が設立されました。
また、「隙間」を埋める活動を担う人材の育成と活動の推進をするために、2011年「がん哲学市民学会」が市民によって設立し、「がん哲学外来コーディネーター」養成講座が始まりました。

こうして「がん哲学外来」が、「対話の場」であるメディカルカフェという形で全国に広がり、現在ではメディアで取り上げられるほど注目されるようになりました。また、地域の有志による運営、病院での常設などに加え、さまざまな形での協力を行う企業も増えてきました。

これらの活動を支援し、がん患者が安心して参加できる場を提供できるよう、NPO法人がん哲学外来は2013年7月3日「一般社団法人がん哲学外来」となり、一組織として、関係する方々をしっかりサポートしていくこととなりました。

 

(※「一般社団法人がん哲学外来」ウェブから全文転載)